一箱キーワードその3:箱2号

kmfar2006-05-03



写真が箱2号です。
ひらいた状態です。
見ての通り、本を入れていた
ダンボールではありません。
「お時間ありましたら、
開けてみてください」という
紙をふたの上に貼って、
当日は閉じた状態で本の上に
のせていました。
開けると、するする国旗のように「オクリマスル」と
サムライと、箱の底に語り合っている男女が出てきます。


家を作るときに、設計上はとくに必要のない柱を一本、
見えない場所に立てておくのだという話を聞いたことが
あります。
願かけのようなものなのだと思います。
当初、この箱はオクリマスルの看板がわりにするつもり
だったのですが、作っているうちに箱をひらいて中を
見て、できることならびっくりしていただきたくなり、
えーと、言ってみれば、せまい箱の中にあって
人によってはなんとも邪魔な、無意味な箱になりました。


昼過ぎまでは雨も降っていなかったので、まだ
よかったのですが、雨がふりはじめて傘をさしながら、
箱をあけている苦笑いのお客様を見て、申し訳ない気持ちに
なりつつも、箱をあけるひとの様子を見るのはほんとうに
楽しかった。
あわてて旗をもとにもどすひとや、所在なげにじっと
見つめるひとや、笑ってとなりのひとに話しかけるひとや、
なんというか、なんとも名づけようのない時間が
そこにはあって、手ごろな箱ほしさにコージーコーナーの
抹茶チョコを買って、仕事しながら全部食べちゃって
気持ち悪くなりながら、ばかみたいにていねいにこの箱を
作ったことをよかった、と思ってしまいました。


箱2号をあけていただいたみなさま、ありがとうございました。
来年も参加できるなら、また別の箱を。