2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとりで食べたらずるいくらい

これはもう、おくりもの殿堂入りと言っていいくらいだと思う。 おくりものの景色として、わたしがまっさきに思い浮かべるのは この本の、このシーン。 かなり待ったような気がした。ぬれた足に風がじんじんしみた頃、部屋の明かりが突然ぱっとついて、おびえ…

巻き毛はきれいですか

キロへ 今日、髪を切りました。 わたしの髪を切ってくれるひとは、たいてい短く 切りたがります。 美容師さんてだれにでもそうなのかしら。 不思議。 軽くなった毛先を何とはなしに触ってしまう。 ガラスに映る自分を何となく見つめてしまう。 わたしの髪は…

ごぶさたのこと

メートルへ ご無沙汰しております。 と、書いて少し、うれしい気持ちになる。 ひさしぶりにそのひとに手紙を書く。 止まっていた時間が再び流れ出す。 「ごぶさた」がたたって連絡が取れなくなってしまっても、 それはそれ。そういえば、と思い出してワクワ…

ありがとうと言ってくれて、

ドレスを身につけたときのシナイちゃんの表情は忘れられない。 できあがるまで、彼は放っておいてくれていた。ずっと楽しみにしてたんだよ、と言った。 鏡を見ながら、信じられないというふうにドレスの上から体を押さえ、こちらを見、ふたたび鏡をのぞきこ…

旅先からはがきを

メートルへ はがきを書くのが、好きだ。 こうしてブログでことばを交わすのは、 なかなか難しい。その点、はがきは強い。 「いま、efishに来ています」と書けば、引き返せない。 喫茶店やカフェなどではがきを書く時間は、 とてもゆったりしていて、気分がい…

向田邦子がお手本

キロへ 昨日は女の子ばかり4人で夜を明かしました。 くだらない、どうでもいい話をいつまでもできる相手がいるって、 しあわせなことです。 くだらない話のなかにも、時折はっとさせられる一言が 散りばめられていたりするんだけど、4人の中にこの春、 結…

すばらしい日々

メートルへ そういえば、昨日は一歩も外に出なかった。 2006年の第一歩を踏み出したぼくを迎えたのは、曇天、すぐに雨。 母親と一緒に、祖父の墓参りにゆく。慣れた道なのに間違えながら。 墓地はとても静かで、供えた花だけが何かを発していた。 友人の家に…

あけましてしめくり

キロへ あなたから「おおみそか」を贈られて、それまでのんびりと 蕎麦がわりの細打ちうどんなどすすっていたわたしは、 鏡を見て後ろ髪が思いのほかはねていることにおどろき、 出先で手袋をなくして青ざめ、やっと実家にたどりつけば 部屋はこおるほど寒く…