少女座

キロへ


キロはいったいどこにいるのだろう。
こちらの世界のことなどすっかりわすれて、飛びまわって
いるのでしょうけど。
くりかえしに見えて、こちらでも案外、いろいろな
ことが起きているのですよ。
わたしは軽い風邪をひきました。ひどくならないといい。
キロは元気でいてください。


先日、おとずれたカフェの本棚に『少女座』という
雑誌を見つけました。
なぜそれを手に取ったかというと、特集が
「純粋少女マンガ」だったのです。
どうしても自分自身のルーツとして、触れずにはいられないものの
ひとつに少女マンガがあります。
やっぱりちょっと照れくさくて、なかなかひとには
言えないのだけれど。


わたしはそのカフェで「あずき茶」という少し甘いお茶を
飲んでいました。甘い中に薄荷のような後味があって、
大島弓子の『ヒー・ヒズ・ヒム』というマンガに出てくる
「ラッカー行進曲」という歌を、なんとなく思い出していました。


♪今日の苺はラッカのかおり
♪今日の苺はラッカのかおり
♪シェラック ラッカラッカ
♪シェラック ラッカラッカ

……


雑誌は巻頭で大島弓子に触れており、なかには岩館真理子
インタビューや、高野文子の記事があったりして、なにしろ、
好みだった。
この雑誌ほしい、と思いましたが残念ながら売り物では
なかったので、部屋に帰ってきてしらべてみたのです。
『少女座』について。


1985年に創刊し、全部で6号しか出なかった、
小さな雑誌だったということ。
そのために、いまでは「まぼろしの雑誌」と
呼ばれているらしいこと。
「純粋少女マンガ」は発売当時に完売していたこと。
大阪の貸本喫茶「ちょうちょぼっこ」が出している冊子で、
『少女座』の特集が組まれたらしいこと。


などなど。


そうこうしているうちに、少女座再販委員会*1というブログに
たどりつきました。
読んでみて、驚きました。
なんと、ついこの間、06年1月15日にブログが立ち上げられている。
運営されているのは『少女座』の制作にかかわった方で、
あの、まぼろしのバックナンバーが「お蔵出し」されているでは
ないですか!


残念ながら「純粋少女マンガ」の号はやっぱりなかったのだけど、
紹介されていた目次を見て、興味深かった2冊について、
バックナンバー購入希望のメールを出しました。
夜中に送信したにもかかわらず、すぐに返信をいただけて、
2冊とも在庫があることや、発送についてなど、
ていねいなやわらかい文章で書かれていました。


こうやって、どんどんつながっていく好きなもののことや、
そこに生まれるなにかしらのやさしいやりとりを、
偶然とか運命的だとか、名前をつけることより先に、
自分の中へいっぱいに満たして、深呼吸をするように
ゆっくりと感じ入りたいものです。


到着したらまた、報告します。
いい気分で眠ります。
夜のどこかにいるキロ、おやすみなさい。



メートルより