沖で待つ

キロへ


ひさしぶりに、家から一歩も出ない日、というのを
やってみた。
前日の夜からなんとなく思ってはいました。
明日は出かけないかもしれないな、と。
行きたいところがないわけではないのだけど、どこに
いる自分も、なんかこう、イメージできなかったのです。


まあ、ただ単にだらけた一日、でもあるのですが。


昼ごろに起きて、うとうとして、はっと目が覚めて、を
くりかえしながらいつのまにか夕方でした。
昨日、買ってきた野菜を一気に使って、ミネストローネを
作りました。
大きな鍋にたっぷり入った野菜を、菜ばしでぐるぐる
かきまぜていると、魔女の気分を味わえます。
寝すぎで、背中がどんよりとだるい。
ときどき腰をもみほぐしながら、今、わたしはだれにも
見られていない、と思いました。
だれにも見られていない、だれにも呼ばれない、なににも
規定されない自分について考えました。
ミネストローネは今まででいちばんうまくいきました。


冷凍にするためにタッパーウェアに入れたスープを
冷ましている間、『沖で待つ』を再読しました。
再読して、わたしがいなくなったあとの世界について、
想像しようとしたけれどうまくいきませんでした。


背中は一日中だるかったです。あんなに眠ったのに、きちんと
夜にはまた眠くなる。自分のからだが不思議です。
おやすみなさい。


メートルより


沖で待つ

沖で待つ